人形マニアのメモ帳

球体関節人形について思いついた諸々を記すブログ

2018-12-01から1ヶ月間の記事一覧

ヴァルマン王について

中川多理が癩王のテラスを題材にした連作「ジャヤ・ヴァルマン7世」「王の精神」「王の肉体」について語りたい。 美しい顔立ちに丁寧に整えられた髪、しなやかでありながら男性らしさも備えた肉体。そこに癩の斑点や脚から半身にかけてのヒビ割れのような血…

朽ち表現

中川多理の代表的な表現手法の一つである朽ちが作品ごとに違った表現意図があるように思える。 浅学ながら意図を把握できない作品も多々あるのですが、漫然と作家のシンボリックな表現を使用してブランディングするような方では無いので、私の理解が追い付か…

正しい鑑賞は正しいのか?

私の鑑賞スタイルをブログで発表する事の是非を自ら問うようなエントリーです。 唐突ですが、ゲームシステムやキャラクターデザインによって操作キャラクターの感情移入スタイルがコントロールされている事をご存知でしょうか? 1.ゲーム内にプレイヤーその…

批評:兎の胞衣を纏う子

私の感想は理屈ぽいので、どうしても前提知識の共有が必要であり、前回までのエントリーはその為に必要であった。 また、本エントリーも後の批評に必要な前提知識の要素を持つので面倒だがご容赦いただきたい。 胞衣を纏う子Ⅰ 中川多理blog https://www.kost…

なぜ関節を球体にするのか

前回の人形の動きと身体表現の続きである。 なぜ人形の関節を球体にするのか? モノコック構造であるから自重が減り、ボルトのように負荷が集中することもなく、内部骨格のように外殻との運動軌道の差を考慮する面倒も無くせる。 一つにはこういった技術的、…

人形の動きと身体表現

人形には二種類の身体の動き表現があり、二つは基本的に二律背反する表現となる。 一つは彫像のように筋肉の流れを直接表現する方法、もう一つは可動関節で動くイメージと実際に動かせる状態を与える方法だ。 可動関節を作る場合に筋肉が厄介な存在となる。 …